午前三時

あの頃君は早く大人になりたいと言っていた
何が見たかった？何を手にしたかった？

三年後僕は泣きながらこう言ったんだ
「大人になんてなるんじゃなかった。」
「あの頃のままでいたかった。」

失って得られたこともあったんだ
でも、そんな理屈以上に失ったものは多すぎた

ポケットから『何か』を落としたことに気付くたびに泣いた
僕はどれだけ涙を流したことだろう

涙はただ頬を流れ
それ以上は何も無い

今を変えることはないし
過去に戻れるわけでもない

ただ明日が不安なんだ

僕はあの日を掴もうと精一杯手を伸ばす
でも、何も掴めない

「もうあの日は無いよ」
周りの人がそう言うんだ

誰かが僕を跡形もなく刻んでくれたのなら
少しは楽になれるかな

でも、それも少し不安だよ
それであの頃に戻れるって言うのなら別としてね

結局、僕は臆病で泣き虫で
明日を見る前に、昨日を見る

毎晩眠る前にはこう呟くんだ

君になりたいよ・・・