俺たちはもうそんな歳なのか

■ジョニー
ジョニーが結婚するらしい。
ここ三年ほど全く音信不通だったのに、いきなりそんな連絡が来たからちょっと驚いた。
でも、ジョニーならうなずける。
結婚式でバンドをやってくれないか、という話がきた。
そうなれば高橋君の言うとおり俺たちパンチドランカ♂しかないな。
でも・・・
こんなおめでたい時にこんなことは言いたくないが、まず第一に金がない。
俺の場合、地元に戻る交通費で一万五千円はかかる。
時間があれば鈍行で帰りたいところだけど、行くとしたら当日の朝にしかいけそうにないから新幹線を使うしかない。
あと、式に出るとしたらご祝儀が当然のごとく必要。
バイトがない今の俺にとってはその出費はあまりにもでかすぎる。
第二に、突然すぎる、且つ、そのときの予定がまだ分らない。
重要なことだけにホントに何とも言えない。
うーん・・・
しかし、やりたい気持ちはかなりある。

ジョニーとは高1の冬、例のごとくマルチ先輩の家の小屋で出会った。
時を同じくして肇、高橋君とも出会った。
後に一樹が合流。
というか、俺が彼らの中に加わったと言ったほうが適切だな。
何せ、彼らはみな中学が同じなのだから。
そして、『陸上』というものを媒介し、商業（肇・ジョニー）、蒲東（高橋君）、豊（一樹）、東（俺・マルチ先輩）が集まった。
話がそれたが、ジョニーは1期パンチドランカ♂のボーカルなのである。
俺はまだそのときはギターをやっていた。
ジョニー時代のパンチは凄かった。
まず、曲の少なさ。
たった一曲で二時間ぐらいスタジオとってたな。
曲数はいつまで経っても増えなかった・・・
そして、練習時間！？というか小屋に集合して一緒に過ごした時間があまりにも長すぎる。
毎週土日は必ずといっていいほど小屋に集まって、練習したり、かなり荒業なレコーディングをしたり（笑）、飲んだり、叫んだり、携帯ゲームやったり（爆）、狭いコタツに無理矢理足を突っ込んで布団を取り合ったり、ロフトで寝て朝起きたらジョニーと一緒に寝てたり・・・
どれだけ親に怒られたことか。
怒られても、ぶん殴られても、俺は通い続けた。
彼らがいるから。
思い出せばキリがないくらいの時を共に過ごし、忘れることがないくらいの思い出を共に作り上げてきた。
ジョニーは途中から離れていってしまったけど、やっぱり仲間だ。
だから結婚式には出たい。
でも、急すぎるよジョニー・・・
一ヶ月前って・・・
かなり悩む。
出たいんだけど・・・
頭の中はそのことでいっぱい。