監督: 犬童一心 原作: 田辺聖子 脚本: 渡辺あや

出演: 妻夫木聡/池脇千鶴/新井浩文/上野樹里/江口徳子/新屋英子/藤沢大悟/陰山泰/真理アンヌ/SABU/大倉孝二/荒川良々/中村靖日/西田シャトナー/山本浩之/板尾創路/森下能幸/佐藤佐吉

音楽: くるり スタイリスト: 伊賀大介

凄く良い映画だった。
ここ一年間に見た中で一番良かったかも。

数日前に一度見たんだけど、何か引っかかった感があって感想が書けなかった、っていうか書きたくなかったから、もう一度見直した。
見る度に発見があるような気がする。

とにかく演技が細かい。
特に妻夫木の演技が爆発的に上手い。
もう演技とは言い難いところも多々あるほど。
表情での感情の現し方がほんとリアル。

特に印象に残ったシーンが四つある。

まず、恒夫がジョゼの名前を初めて聞くシーン。「ジョゼ…良い響きだね」その一言に気をよくしたジョゼが作ってる料理を箸でつかみ味見させる。それを恒夫がくわえる瞬間ジョゼは肩をこわばらせ少し身を引く。この瞬間ジョゼの恋が始まったと思った。

二つ目は、ジョゼと恒夫が結ばれ、同棲生活が始まったとき、今までジョゼの家で使われていた家具が全てゴミに出されていた瞬間。ジョゼにとって新たなスタートなんだなって感じた。

三つ目は、恒夫がジョゼを実家に連れてこうとするシーン。途中で迷いが生じた恒夫。ジョゼは「海に行け」と恒夫に命令する。ジョゼは恒夫の気持ちを察したんじゃないかな。この瞬間二人の恋は終わった気がした。

最後は恒夫が家を出ていった後のジョゼの家の様子。恒夫との生活で使われた家具は取り除かれ、カーペットが青くなったり、花が変わったり、ジョゼの独りだけの生活が始まるところ。とても切ないシーン。

それから、この映画は六段階で編成されてる気がする。(別にこんな風に分析しながら見てるわけじゃないけど)

まず、恒夫の何の変哲も無いような日常生活。

そしてジョゼとの出会いによって、その無色な日々に色が塗られていく。恒夫が暮らす日常とジョゼが暮らす非日常(恒夫にとっての)が交錯しだすわけだ。

そしてお互いの世界に一歩、また一歩踏み込むごとに相手を好きになっていく。

ついに結ばれた二人は夢のような日々を過ごす。

やがて二人の関係に変化が…互いに別れを感じ出す。

そして、ジョゼの家を出ていった恒夫は以前の日常生活に戻っていく。ジョゼも自らの日常世界に戻っていく。

ラストはホントいいなぁ。

もとの世界に戻っていく恒夫は、自分で選んだ道にも関わらずジョゼのことが忘れられなくて泣き崩れる、、、

ジョゼは恒夫から与えてもらった愛を糧に以前とは違い家の中だけでなく外の世界でもたくましく生きていこうと歩み出す、、、

この映画は出会い、生まれる愛、別れ、新たな旅立ちっていうのがホント上手く描かれてるな。

恒夫はホントにどこかにいそうな大学生だし、ジョゼは喜怒哀楽がとてもはっきりしていて魅力的な女性だ。

荒川良々が出演してるとことかも自分的にはかなりツボ 笑

恒夫とジョゼの衣装が「なんかいいなぁ」なんて思ってたらスタイリストが伊賀大介だった。なるほどねー 笑。あの人らしいセンス。

くるりの「ハイウェイ」がこの映画には見事にハマってる。

コメント

kei

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